2010/10/10

EDXの定量分析1

どうも,ボクです.

今日はEDXの定量分析について書いてみようと思います.

EDXでも他の装置でも,定量分析と言えば,未知試料(unknown sample)と標準試料(standard sample)の強度を測定して,その値を補正してから元素濃度を求めるのが一般的なやり方です.
 EDXによって取り込まれた特性X線の強度は,加速電圧や試料電流,検出器の取り出し角にとても依存しているので,これらの条件を同一にして未知試料と標準試料の特性X線強度を求める必要があります.また,若干ではありますが,炭素蒸着の厚さやユーザーの熟練度によっても分析値に影響が出てくるかもしれません.
 例えば,A元素について,未知試料の特性X線強度をIUnk,標準試料のそれをIStdとすれば,これらの比を以下の式のように表すことができて,それを相対強度KあるいはK-ratioと呼びます.
  K=IUnk/IStd
この相対強度K(A)に補正係数G(A)をかけると,A元素の濃度CUnkが求まります.
  CUnk=G×K

もう少し詳しく書くとすれば,補正計数G(A)は
  G=CStd×G(補正計算法によって得られた値)×G(ユーザーの熟練度)
と表現しても差し支えないかもしれません.

 最近のEDXをはじめとする数多くの分析装置では,G(ユーザーの熟練度)の部分をできるだけ1に近づけるような努力の集大成であるアプリケーションが導入されております.おそらくメーカー側は「誰にでも簡単にできる定量分析!」って感じでアプリケーションを開発していると思われます.これが良いのか悪いのかは,はっきりと申し上げられないけれど,基本的な定量計算法の手順は少しくらい理解しておいても損はしないかと思います.

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