2010/10/10

EDXスペクトラム2

どうも,ボクです.

スペクトラムについて,色々と補足しなければいけないと思った;;

まず,EDXスペクトラムは,だいたいですが,分析対象微少領域の化学組成を反映しています.これまた,だいたいですが,各元素のピークは,化学組成に比例して,大きくなったり小さくなったりします.このようなピークのことを特性X線(characteristic X-ray)と呼ぶみたいです.

特性X線について説明しますと,,,
原子が物理的に安定するのは,電子核に電子が満たされている状態であるときで,それを基底状態と呼びます.この基底状態にある原子に,電子を照射して内殻電子を放出させると,そこに空孔が生じて不安定な励起状態になります.
 不安定な励起状態にある原子は,1ns以下の時間内に基底状態に戻る遷移現象が生じます.遷移は,空孔になったところに,より外側にある原子核から,電子が遷移してきて基底状態に戻ることであります.このように遷移する電子は,外角の高いエネルギー準位から,内殻の低エネルギー準位に落ち込むので,そのエネルギー差に等しい電磁波が放射されてでてきます.この電磁波を特性X線と呼びます.また,そのエネルギーは元素に固有の値であります.
画像は神奈川科学技術アカデミーより転載しました

元素固有のエネルギー値は以下の感じです;
Element E(keV)
4 Be 0.109
5 B 0.183
6 C 0.277
7 N 0.392
8 O 0.525
9 F 0.677
10 Ne 0.849

ちなみに,各元素のエネルギーは,波長分散法で用いる波長値と反比例の関係にあります.
エネルギー E(eV)=12399/λ(波長:Å)
波長分散法については,気が向くまで書くつもりはありません;;

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