どうも僕です.
次は,吸収補正です.
試料に侵入した電子は,原子による散乱を受けながらエネルギーを失っていきます.この散乱過程で電子殻の内殻をイオン化して特性X線を発生するのですが,特性X線の発生強度は深さ方向に分布を持った形と見なすことができます.そして,ある深さで発生したX線は,試料表面に放出されるまでに構成元素によって吸収を受けながら減衰していきます.この吸収量を補正するのが吸収補正(absorption correction)です.ちなみに,ZAF補正を回すときは,この吸収補正から計算を開始させます.
X線の吸収量は,構成元素の質量吸収係数(μ/ρ)とX線検出器の取り出し角θで定義された変数χに依存します;
χ=(μ/ρ)×cscθ
そして,ある深さρzで発生したX線は,exp(-χρz)の吸収を受けて強度が減少します.ちなみに,φ(ρz)補正法は,この吸収補正と原子番号補正をまとめて扱います.
A元素の吸収補正係数GAAは以下のように表されます;
GAA=fUnkA(χUnkA)/fStdA(χStdA)
原子番号補正の場合と同様に,f(χ)関数は多くの研究者によって提案されております.吸収補正係数GAAは,試料元素の質量吸収係数μ/ρと入射電子エネルギーE0に依存しているので,試料元素の原子番号が小さければ小さいほど,加速電圧を高くすればするほど大きくなる傾向があります.なお,X線検出器の取り出し角が低いほど吸収補正係数が大きくなります.
最も(たぶん)一般的なf(χ)関数は;
f(χ)=(1+h)/((1+χ/σ)×(1+h(1+χ/σ)))
σ=レナード定数(例えば,2.39×105/(E1.50-E1.5C(A)あるいは実験的に求められた表などを参考する
hUnkorhStd=ΣCi×hi
hi=1.2×A/Z2
などです.
テキスト入力ってたいへんだなw
おしまいw
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