どうもボクです.
EDXの分析手順を簡単にフローチャートで書こうと思います.編集が面倒なんで,すべてテキストです;;
定量したい元素の確認
↓
標準試料の選択
↓
分析条件の設定
↓
標準試料のスペクトラムの収集と保存
↓
標準試料リファレンスファイルの作成
↓
未知試料のスペクトラムの収集(と保存)
↓
補正計算(ZAF, Bence-albee, φ(ρz))
↓
定量結果
EDXを用いた定量分析では,定量したい元素のスタンダードファイルをあらかじめ作成・保存しておくひつようがあります.フツウは,定量したい元素って,だいたい決まっているから,それぞれの元素を含むような標準試料を用意しておけば良いと思います.また,X線発生の観点から言えば,標準試料と未知試料は似たような物質の方が良いと思います.例えば,未知試料が金属なら,標準試料も金属にするとか,,,,
あと,未知試料をはかっているときに,予想外の元素を認識する場合があります.そういう場合は困りますね,,,標準物質を取り扱っているメーカーなどに問い合わせるのが一番いいと思います.
定量分析を行う際の基本は,未知試料のスペクトラムの収集と標準試料のそれの分析条件を完全に一致させることです.ここが一番難しい.使い方を習った程度で定量分析が行えるとはとうてい思えない.EDXに関わらず,あらゆる分析装置に共通するのではないでしょうか?ちゃんと目的意識を持ちながら分析に取り組むことが大切だと思います.
おわり
2010/10/10
EDXの定量分析2
どうも僕です
EDXによる定量分析には,大きく分けて二通りあります.一つめは,前の記事で書いた相対強度を求める方法です.もう一つは,実は標準試料を用いなくても定量分析が行えます.それをスタンダードレス法(standardless correction)と呼びます.
もう少し詳しく書くと,未知試料の各元素のX線強度から理論的に補正計算を行い,合計濃度が100%になるように定量分析値を出す補正方法のことをスタンダードレス法と呼びます.また,あらかじめ取り込んでおいた標準試料のX線強度を利用した半スタンダードレス法というものも考案されております.標準試料の特性X線を取り込む手間が省けるので,短時間で定量分析が行えるのがスタンダードレス法の利点であるのですが,正直言ってオススメできない.その理由は,誤差が大きすぎて「真」の定量分析とはほど遠い分析値しか得られないためであります(ブログ管理人の経験ですけどね).
また今度,前の記事で書いた定量分析法とスタンダードレス法の分析値の違いについて触れておきたいと思っております.
さて,前の記事で書いた相対強度を求めてからの補正計算法なのですが,数多く提案されております.その中で有名なのが,
ZAF補正
Bence-Albee補正
φ(ρz)補正
の3つです.また,あまり使われていないけど検量線法などもあります.
どの補正法を使うにしても,重要なのはX線スペクトラムの波形処理を正確に行うことなのです.波形処理が不十分であれば,正しい定量分析は行えないと思っております.まぁでも,それについてはユーザーサイドで要求する分析精度の程度に依存しますけどね.
次の記事からは定量分析(波形処理~補正計算)についてゆっくりと書いてみようと思います.
EDXによる定量分析には,大きく分けて二通りあります.一つめは,前の記事で書いた相対強度を求める方法です.もう一つは,実は標準試料を用いなくても定量分析が行えます.それをスタンダードレス法(standardless correction)と呼びます.
もう少し詳しく書くと,未知試料の各元素のX線強度から理論的に補正計算を行い,合計濃度が100%になるように定量分析値を出す補正方法のことをスタンダードレス法と呼びます.また,あらかじめ取り込んでおいた標準試料のX線強度を利用した半スタンダードレス法というものも考案されております.標準試料の特性X線を取り込む手間が省けるので,短時間で定量分析が行えるのがスタンダードレス法の利点であるのですが,正直言ってオススメできない.その理由は,誤差が大きすぎて「真」の定量分析とはほど遠い分析値しか得られないためであります(ブログ管理人の経験ですけどね).
また今度,前の記事で書いた定量分析法とスタンダードレス法の分析値の違いについて触れておきたいと思っております.
さて,前の記事で書いた相対強度を求めてからの補正計算法なのですが,数多く提案されております.その中で有名なのが,
ZAF補正
Bence-Albee補正
φ(ρz)補正
の3つです.また,あまり使われていないけど検量線法などもあります.
どの補正法を使うにしても,重要なのはX線スペクトラムの波形処理を正確に行うことなのです.波形処理が不十分であれば,正しい定量分析は行えないと思っております.まぁでも,それについてはユーザーサイドで要求する分析精度の程度に依存しますけどね.
次の記事からは定量分析(波形処理~補正計算)についてゆっくりと書いてみようと思います.
EDXの分解能3
どうもボクです.
EDXの分解能って,結局なんなのかって言うと,いかにしてシャープなピークを得ることができるか!って感じじゃないでしょうか.でも,多くの希土類元素を含むようなヘンテコな試料を除けば,カルシウム(Ca)より原子番号の大きいピークは,重なり合うこともないので,こういうこだわりは無視すればいいのですが,軽元素(ホウ素Bから窒素Nくらいまで)の定量分析に分解能の値が影響します.具体的には,以下のスペクトラムを見てください.
EDAX参照
このスペクトラムは,ナイロンの分析例を示す物ですが,分解能が良ければ良いほど(値が小さければ小さいほど),ピークの重なりが小さいですね.これって重要で,そのうち書くけど,定量分析を行う際のガウシアンフィッティングにモロに影響するんですよ.ピークの分離が優れていれば優れているほど,きちんとした定量分析がおこなえる(はず).
日本のEDXメーカーのHPを参照してみれば
日本電子さんでは,133-144eV以下
日立さんでは,133eV以下
EDAXさん,130-138eV以下
堀場さんでは,133-137eV以下
島津さん,不明
たまに画像をお借りしてる4piさんは,129-132eV程度のエネルギー分解能を持つ検出器が開発されております.これらの値は,分析対象物が何であるかの場合に考えなくてはなりませんけど,あんまり気にしなくてもいいんじゃないでしょうか?wエネルギー分解能が良ければ,正しい定量分析ができるって訳ではありませんからね!
PS
世の中には波長分散型のX線検出器ってのがあります.いわゆるWDXとかWDSと呼ばれているヤツです.WDXがなんで精度の良い定量分析ができるかというと,WDSの分解能はだいたい10eV前後だからです.スペクトラムのピーク分離が優れているので,EDXでは分析できないような元素の分析にも向いているようです.まぁそんな感じです.
EDAX参照
EDXの分解能って,結局なんなのかって言うと,いかにしてシャープなピークを得ることができるか!って感じじゃないでしょうか.でも,多くの希土類元素を含むようなヘンテコな試料を除けば,カルシウム(Ca)より原子番号の大きいピークは,重なり合うこともないので,こういうこだわりは無視すればいいのですが,軽元素(ホウ素Bから窒素Nくらいまで)の定量分析に分解能の値が影響します.具体的には,以下のスペクトラムを見てください.
EDAX参照このスペクトラムは,ナイロンの分析例を示す物ですが,分解能が良ければ良いほど(値が小さければ小さいほど),ピークの重なりが小さいですね.これって重要で,そのうち書くけど,定量分析を行う際のガウシアンフィッティングにモロに影響するんですよ.ピークの分離が優れていれば優れているほど,きちんとした定量分析がおこなえる(はず).
日本のEDXメーカーのHPを参照してみれば
日本電子さんでは,133-144eV以下
日立さんでは,133eV以下
EDAXさん,130-138eV以下
堀場さんでは,133-137eV以下
島津さん,不明
たまに画像をお借りしてる4piさんは,129-132eV程度のエネルギー分解能を持つ検出器が開発されております.これらの値は,分析対象物が何であるかの場合に考えなくてはなりませんけど,あんまり気にしなくてもいいんじゃないでしょうか?wエネルギー分解能が良ければ,正しい定量分析ができるって訳ではありませんからね!
PS
世の中には波長分散型のX線検出器ってのがあります.いわゆるWDXとかWDSと呼ばれているヤツです.WDXがなんで精度の良い定量分析ができるかというと,WDSの分解能はだいたい10eV前後だからです.スペクトラムのピーク分離が優れているので,EDXでは分析できないような元素の分析にも向いているようです.まぁそんな感じです.
EDAX参照
EDXの分解能2
どうもボクです.
EDXの分解能について,先日記事にしてみました.今日はその補足です.
EDXの分解能の決定には,いくつか要素があって,それは,検出素子内での生成電荷のばらつき,前置増幅器の雑音,電気回路の安定度などです.このなかで,生成電荷のばらつきによるエネルギー分布の広がりΔEは,以下のように提案されています.

F:ファノ因子(0.05-0.13)
ε:一対の電子・正孔対を生成するのに必要な平均エネルギー
E:入射X線のエネルギー
です.
ファノ因子は,理論的に求められているのですが,Si(Li)検出器では,Fは,だいたい0.05-0.13であります.検出素子の結晶に格子欠陥や不純物などが少なくて結晶性の良い物であれば,Fは0.05に近づきます
εは,Si(Li)検出素子が77Kであるときに3.7eVくらい(文献によって様々,だいたい3.6-3.9かな??)です.77K=液体窒素の温度でいいと思う.この値が小さいと,X線量子あたりに発生する電荷量が大きくなるので,エネルギー分解能がよくなります.ちなみに,ガス比例計数管のイオン化には約30eV,NaI(Tl)シンチレータの光電子発生には約300eVのエネルギーが必要となるので,Si(Li)半導体検出器が,他のX線検出器と比べて感度がよいのが特徴です.
それから,エネルギー分解能を決定しているもう一つの要素は,前置増幅官の雑音(ΔE0)は,漏れ電流,静電容量,冷却温度などによって決定される値で,数10eVです.
ネット上で,エネルギーとΔEのグラフをゲッツしましたが
出典がどこか忘れちゃいました><
で,普段,エネルギー分解能と呼んでいる値は,FとΔE0の値と,E=5.940(MnのKα線)を代入した値のことです.
EDXの分解能について,先日記事にしてみました.今日はその補足です.
EDXの分解能の決定には,いくつか要素があって,それは,検出素子内での生成電荷のばらつき,前置増幅器の雑音,電気回路の安定度などです.このなかで,生成電荷のばらつきによるエネルギー分布の広がりΔEは,以下のように提案されています.
F:ファノ因子(0.05-0.13)
ε:一対の電子・正孔対を生成するのに必要な平均エネルギー
E:入射X線のエネルギー
です.
ファノ因子は,理論的に求められているのですが,Si(Li)検出器では,Fは,だいたい0.05-0.13であります.検出素子の結晶に格子欠陥や不純物などが少なくて結晶性の良い物であれば,Fは0.05に近づきます
εは,Si(Li)検出素子が77Kであるときに3.7eVくらい(文献によって様々,だいたい3.6-3.9かな??)です.77K=液体窒素の温度でいいと思う.この値が小さいと,X線量子あたりに発生する電荷量が大きくなるので,エネルギー分解能がよくなります.ちなみに,ガス比例計数管のイオン化には約30eV,NaI(Tl)シンチレータの光電子発生には約300eVのエネルギーが必要となるので,Si(Li)半導体検出器が,他のX線検出器と比べて感度がよいのが特徴です.
それから,エネルギー分解能を決定しているもう一つの要素は,前置増幅官の雑音(ΔE0)は,漏れ電流,静電容量,冷却温度などによって決定される値で,数10eVです.
ネット上で,エネルギーとΔEのグラフをゲッツしましたが
出典がどこか忘れちゃいました><で,普段,エネルギー分解能と呼んでいる値は,FとΔE0の値と,E=5.940(MnのKα線)を代入した値のことです.
EDXの分解能
どうも僕です.
EDXのエネルギー分解能って分析にかなり影響されるのですが,今回は,そのエネルギー分解能についてちょっと書いてみたいと思います.
エネルギー分解能は,通常MnのKα線(5.895keV)の半値幅(full width at half maximum;fwhm)の値を用いています.以下に模式図を示します,
ウィキペディア参照
これって,単に半値幅と言うときが多いけれど,正確には半値全幅と呼びます.(ボクも今まで知らなかった・・・まぁ英語をちゃんと訳したらこうなるよねw)
あ,今までなんにも書かなかったけど,EDXのスペクトラムのピークって大体ガウス分布≒正規分布と見なすことができます.ガウス分布の数式って
ウィキペディア参照
と書きます.で,これを展開すると,
ウィキペディア参照
正規分布の半値幅は,標準偏差 σ の約2.35倍であることが判ります.
これって重要な事なんですよね.まぁまた今度書くけど,エネルギーピークをガウスフィッティングして,そのピークの強度(intensity)を求めて定量計算を実行するんですが,その際に標準偏差σもはじき出されるわけです.まぁ何が言いたいのかというと,標準偏差から半値幅を求めた場合,メーカーがアプリケーションに組み込んだ半値幅計算値と若干違う場合があります>< 気をつけましょう・・・ で,アプリケーションで半値幅を求める機能ってのは,どこのメーカーのソフトでも備え付けられているけど,以下のような感じです,
4pi参照
おしまい
EDXのエネルギー分解能って分析にかなり影響されるのですが,今回は,そのエネルギー分解能についてちょっと書いてみたいと思います.
エネルギー分解能は,通常MnのKα線(5.895keV)の半値幅(full width at half maximum;fwhm)の値を用いています.以下に模式図を示します,
ウィキペディア参照これって,単に半値幅と言うときが多いけれど,正確には半値全幅と呼びます.(ボクも今まで知らなかった・・・まぁ英語をちゃんと訳したらこうなるよねw)
あ,今までなんにも書かなかったけど,EDXのスペクトラムのピークって大体ガウス分布≒正規分布と見なすことができます.ガウス分布の数式って
ウィキペディア参照と書きます.で,これを展開すると,
ウィキペディア参照正規分布の半値幅は,標準偏差 σ の約2.35倍であることが判ります.
これって重要な事なんですよね.まぁまた今度書くけど,エネルギーピークをガウスフィッティングして,そのピークの強度(intensity)を求めて定量計算を実行するんですが,その際に標準偏差σもはじき出されるわけです.まぁ何が言いたいのかというと,標準偏差から半値幅を求めた場合,メーカーがアプリケーションに組み込んだ半値幅計算値と若干違う場合があります>< 気をつけましょう・・・ で,アプリケーションで半値幅を求める機能ってのは,どこのメーカーのソフトでも備え付けられているけど,以下のような感じです,
4pi参照おしまい
EDXスペクトラム3
どうも僕です.
スペクトラムに関する用語は沢山ありますんで,ここで一気に説明しておきたいと思います.
連続X線
入射電子は,試料元素の原子核による影響を受けてエネルギーを失います.この損失エネルギーが電磁波となって試料外に放射されます.これを制動輻射(bremstrahlung)と言いまして,発生した電磁波を連続X線(continuous x-ray)と呼んでいます.バックグラウンドの原因の1つとなります.
エスケープピーク(escape peak)
EDX分析時には,試料から放出されるX線を検出器で検出するとき,検出器に入射したX線のエネルギーの一部が検出器の構成元素であるシリコン(Si)などの内殻電子励起に使われてしまい,SiKα線のエネルギー(Esi=1.740keV)に相当するエネルギーを失ってしまいます.そのために,E-Esiの位置に小さなピークが現れます.これをエスケープピークと呼んでおります.スペクトルの解析の際には注意を要するのですが,最近のEDXシステムではコンピューター処理によって補正することが可能になっています.
Bruker AXS参照
サムピーク(sum peak)
Goldstein et al. 2003
EDX分析では,試料から放出される特性X線を検出器で検出して,X線のエネルギーに比例したパルス電流を生じさせて,多チャンネル波高分析器で選別して測定するのですが,複数の特性X線がほぼ同時に検出器に入射すると,これらは別々のパルスとして認識することができません.この場合,試料からのスペクトルピークとは別に,認識されなかった複数のX線のエネルギーの和の位置にピークが現れます.これをサムピークと呼びます.
僕の経験では,数百秒程度の分析時間であれば,サムピークの影響はほとんど無視できると思っています.というよりも,ほとんど認識できないレヴェルです.EDXのエネルギー分解能と検出感度を考えた場合,やはり無視できるでしょう.
ちなみにサムピークを見ようと思えば,数千秒単位でスペクトラムの取り込みを行う必要があると思います.特に鉄やマンガンなどで試されると良いと思うのですが,Kα+Kα線のサムピークやKβ+Kβ,Ka+Kβのサムピークなどが現れるでしょう.エネルギー座標は,KαのエネルギーとKβのエネルギーを単純に足してやると,予測できます.ただ,ピークが見れるかどうかは判らないですけどね!
さらにやっかいなことに,サムピークの予測位置と別の元素のエネルギー値とがほぼ同じ場合があります.例えば,AlKα(1.487keV)×2≒AgLα(2.984keV)orThMα(2.996).こうなると定性分析するのがとても複雑になります.いろいろと考えてみましょう.
Si(Li)検出器のエスケープピーク
Si(Li)検出器による内部シリコン蛍光ピーク(internal si flourescence peak)は,入射X線が検出器の不感層(dead layer)でSiK線を励起して,そのSiK線を検出するピークであります.
つかれたーーー
スペクトラムに関する用語は沢山ありますんで,ここで一気に説明しておきたいと思います.
連続X線
入射電子は,試料元素の原子核による影響を受けてエネルギーを失います.この損失エネルギーが電磁波となって試料外に放射されます.これを制動輻射(bremstrahlung)と言いまして,発生した電磁波を連続X線(continuous x-ray)と呼んでいます.バックグラウンドの原因の1つとなります.
エスケープピーク(escape peak)
EDX分析時には,試料から放出されるX線を検出器で検出するとき,検出器に入射したX線のエネルギーの一部が検出器の構成元素であるシリコン(Si)などの内殻電子励起に使われてしまい,SiKα線のエネルギー(Esi=1.740keV)に相当するエネルギーを失ってしまいます.そのために,E-Esiの位置に小さなピークが現れます.これをエスケープピークと呼んでおります.スペクトルの解析の際には注意を要するのですが,最近のEDXシステムではコンピューター処理によって補正することが可能になっています.
Bruker AXS参照サムピーク(sum peak)
Goldstein et al. 2003EDX分析では,試料から放出される特性X線を検出器で検出して,X線のエネルギーに比例したパルス電流を生じさせて,多チャンネル波高分析器で選別して測定するのですが,複数の特性X線がほぼ同時に検出器に入射すると,これらは別々のパルスとして認識することができません.この場合,試料からのスペクトルピークとは別に,認識されなかった複数のX線のエネルギーの和の位置にピークが現れます.これをサムピークと呼びます.
僕の経験では,数百秒程度の分析時間であれば,サムピークの影響はほとんど無視できると思っています.というよりも,ほとんど認識できないレヴェルです.EDXのエネルギー分解能と検出感度を考えた場合,やはり無視できるでしょう.
ちなみにサムピークを見ようと思えば,数千秒単位でスペクトラムの取り込みを行う必要があると思います.特に鉄やマンガンなどで試されると良いと思うのですが,Kα+Kα線のサムピークやKβ+Kβ,Ka+Kβのサムピークなどが現れるでしょう.エネルギー座標は,KαのエネルギーとKβのエネルギーを単純に足してやると,予測できます.ただ,ピークが見れるかどうかは判らないですけどね!
さらにやっかいなことに,サムピークの予測位置と別の元素のエネルギー値とがほぼ同じ場合があります.例えば,AlKα(1.487keV)×2≒AgLα(2.984keV)orThMα(2.996).こうなると定性分析するのがとても複雑になります.いろいろと考えてみましょう.
Si(Li)検出器のエスケープピーク
Si(Li)検出器による内部シリコン蛍光ピーク(internal si flourescence peak)は,入射X線が検出器の不感層(dead layer)でSiK線を励起して,そのSiK線を検出するピークであります.
つかれたーーー
EDXスペクトラム2
どうも,ボクです.
スペクトラムについて,色々と補足しなければいけないと思った;;
まず,EDXスペクトラムは,だいたいですが,分析対象微少領域の化学組成を反映しています.これまた,だいたいですが,各元素のピークは,化学組成に比例して,大きくなったり小さくなったりします.このようなピークのことを特性X線(characteristic X-ray)と呼ぶみたいです.
特性X線について説明しますと,,,
原子が物理的に安定するのは,電子核に電子が満たされている状態であるときで,それを基底状態と呼びます.この基底状態にある原子に,電子を照射して内殻電子を放出させると,そこに空孔が生じて不安定な励起状態になります.
不安定な励起状態にある原子は,1ns以下の時間内に基底状態に戻る遷移現象が生じます.遷移は,空孔になったところに,より外側にある原子核から,電子が遷移してきて基底状態に戻ることであります.このように遷移する電子は,外角の高いエネルギー準位から,内殻の低エネルギー準位に落ち込むので,そのエネルギー差に等しい電磁波が放射されてでてきます.この電磁波を特性X線と呼びます.また,そのエネルギーは元素に固有の値であります.
画像は神奈川科学技術アカデミーより転載しました
元素固有のエネルギー値は以下の感じです;
Element E(keV)
4 Be 0.109
5 B 0.183
6 C 0.277
7 N 0.392
8 O 0.525
9 F 0.677
10 Ne 0.849
ちなみに,各元素のエネルギーは,波長分散法で用いる波長値と反比例の関係にあります.
エネルギー E(eV)=12399/λ(波長:Å)
波長分散法については,気が向くまで書くつもりはありません;;
スペクトラムについて,色々と補足しなければいけないと思った;;
まず,EDXスペクトラムは,だいたいですが,分析対象微少領域の化学組成を反映しています.これまた,だいたいですが,各元素のピークは,化学組成に比例して,大きくなったり小さくなったりします.このようなピークのことを特性X線(characteristic X-ray)と呼ぶみたいです.
特性X線について説明しますと,,,
原子が物理的に安定するのは,電子核に電子が満たされている状態であるときで,それを基底状態と呼びます.この基底状態にある原子に,電子を照射して内殻電子を放出させると,そこに空孔が生じて不安定な励起状態になります.
不安定な励起状態にある原子は,1ns以下の時間内に基底状態に戻る遷移現象が生じます.遷移は,空孔になったところに,より外側にある原子核から,電子が遷移してきて基底状態に戻ることであります.このように遷移する電子は,外角の高いエネルギー準位から,内殻の低エネルギー準位に落ち込むので,そのエネルギー差に等しい電磁波が放射されてでてきます.この電磁波を特性X線と呼びます.また,そのエネルギーは元素に固有の値であります.
画像は神奈川科学技術アカデミーより転載しました元素固有のエネルギー値は以下の感じです;
Element E(keV)
4 Be 0.109
5 B 0.183
6 C 0.277
7 N 0.392
8 O 0.525
9 F 0.677
10 Ne 0.849
ちなみに,各元素のエネルギーは,波長分散法で用いる波長値と反比例の関係にあります.
エネルギー E(eV)=12399/λ(波長:Å)
波長分散法については,気が向くまで書くつもりはありません;;
EDXスペクトラム
どうもボクです.
EDXを用いた化学分析っていろいろあるんだけど,その基本原理は簡単で,検出器に入射してきたX線をああだこうだって感じで使い分けて,試料の定性分析や定量分析を行います.
分析モードは大きく分けて,点分析,線分析,面分析の3つに大きく分類できるかな?
なにかしらの試料に電子線を照射して,検出されたX線は波形データとして出力されるのですが,それは以下のような波形(=スペクトラム~)としてコンピュータ上に映し出されます.
rochester.eduのサイトから入手した画像です
上のスペクトラムをご覧になるとよく分かると思うのですが,何本かの山が見えますね?これをピークと呼んだりすることが多いです.鉄(Fe)とチタン(Ti)と酸素(O)のピークが見れます.このようにして,電子線を照射した部分の構成元素の概要が大体分かります.さらに,その部分がどのような元素で構成されているのかが判れば,試料の定性分析が行えます.鉄やチタンを多く含み,酸素も含むので,Fe-Ti酸化物と言えることができるでしょう.ただ,その物質が何であるかは,判断できません.厳密に物質名を特定するためには,定量分析が不可欠となりますが,その事に関しては,また今度書くことにします.
後日,EDXスペクトラムについて補足をしたいと思います.
EDXを用いた化学分析っていろいろあるんだけど,その基本原理は簡単で,検出器に入射してきたX線をああだこうだって感じで使い分けて,試料の定性分析や定量分析を行います.
分析モードは大きく分けて,点分析,線分析,面分析の3つに大きく分類できるかな?
なにかしらの試料に電子線を照射して,検出されたX線は波形データとして出力されるのですが,それは以下のような波形(=スペクトラム~)としてコンピュータ上に映し出されます.
上のスペクトラムをご覧になるとよく分かると思うのですが,何本かの山が見えますね?これをピークと呼んだりすることが多いです.鉄(Fe)とチタン(Ti)と酸素(O)のピークが見れます.このようにして,電子線を照射した部分の構成元素の概要が大体分かります.さらに,その部分がどのような元素で構成されているのかが判れば,試料の定性分析が行えます.鉄やチタンを多く含み,酸素も含むので,Fe-Ti酸化物と言えることができるでしょう.ただ,その物質が何であるかは,判断できません.厳密に物質名を特定するためには,定量分析が不可欠となりますが,その事に関しては,また今度書くことにします.
後日,EDXスペクトラムについて補足をしたいと思います.
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